<お米へのこだわり>
①無農薬栽培
除草剤、殺菌剤、殺虫剤など一切使用しません。
田んぼの中でお稲さんたちは今、気持よく、心地良く過ごしているだろうか?いつもそれを考えてお世話をさせていただいています。
「草が出る から、虫が来るから、病気になるから」ということで除草剤、殺虫剤、殺菌剤などをまいてお稲さんたちは気持ち良いだろうか?心地
良いだろうか?
お稲さんたちは私達と同じ生き物なのです。人間の都合で考えるのではなく、お稲さんたちの気持ちになって接するように努めています。
②無肥料栽培
化学肥料はじめ有機肥料、鶏糞、牛糞などの動物性堆肥、ボカシなど一切使用しません。
私達は、作物は出来るだけ自然と同じ環境で育てたいと思っています。それが作物にとっても一番嬉しいのではないかと思うのです。
以前は、1年間頑張ってきてくれた田んぼの微生物やバクテリアなどに感謝のお礼としてヌカをごくわずか蒔いていたこともありましたが、
今は、はざ(はぜ)掛けして、脱穀が終わったあと、藁カッターで藁を小さくカットし、それを田んぼ全体に蒔くだけです。
自然界は肥料などもらいませんがちゃんと育っています。
森の木によっては、何百年、何千年も生きているものもあります。
本来自然とはそういうものではないかと思います。
人間が変に手を加えることによって、そのバランスがくずれるように思います。
肥料なしで育てる事によって、お稲さんたちは自分で根をしっかりはって栄養を取りにいかなければなりません。
しかし結局、それが自分自身を強くし、たくましい稲に育っていくことになると思うのです。
「亀の尾」は「こしひかり」などと比べるとだいぶ背が高い品種です。
しかし台風や北アルプスの吹き下ろしの強風の中でも、これまで一度も倒れた事がありません。
厳しい環境で育ったお稲さんたちは、とても力強く、たくましく成長していくように思います。
肥料をやらないので、当然収量は少なくなりますが、自然の力で育ったエネルギーに満ち溢れたお米を食べてい
ただきたいと思うので、あくまで収量より質にこだわりたいと思っています。
③自家採種
毎年、田んぼで育ったお稲さんから種籾をとります。
植物は動物と違って、動き回る事が出来ません。草にしろ、花にしろ、なんでもそうですが、与えられた場所で芽をだし、葉をつけ、
花を咲かせたり実をつけたりします。そして子孫を残すために種をつけ、時がくれば次第に枯れて地面に落ち、翌年また同じことを繰り返します。
そうすることによって、その土地、その土地にあった草や花が育つことになります。
これが自然界の本来の姿です。
人間が作るお米や野菜も同様で、その土地、その土地で育った場所から種を採ることによって、その場所にあった、適したものが
出来るようになってきます。私たちは毎年、田んぼで育ったお稲さんから種籾を採り、それを使ってお米を作っています。
その繰り返しをすることによって、この北アルプスの山麓に適した美味しいお米が出来るようになってくると思います。
④天日干し
無農薬、無肥料で育て、最後はお日様にじっくりかわかしていただきます。
刈り取った稲は、その場ですぐにはざ(はぜ)掛けにします。そして1週間から1ケ月かけてお日様にたくさんの光をいただき、じっくりと乾燥させていきます。天日干しは自然の状態で乾燥していくので、時間はかかりますが、じっくり乾燥したお米は最後まで養分を吸収し、味わい深い、風味豊かな自然の味になっていきます。
お稲さんたちの氣持ちを考えても、せっかく頑張って自然と共に育ってきたのに、最後に乾燥機に入って人工的に熱を加えて乾かされるより、お日様の光をいっぱい浴びて自然乾燥していく方がずっと気持ちが良いのではないかと思います。
今の乾燥機は性能がかなりよくなっていると思いますが、機械はあくまで人間が作ったもので、お日様の力には到底かなわないと思います。無農薬、無肥料で育て、最後にお日様に乾かしていただくことによって、美味しくてエネルギーのある自然なお米が出来上がります。このはざ(はぜ)掛けという作業は、手間暇はかなりかかりますが欠かすことの出来ないとても大切な仕事です。
⑤籾で保存
脱穀はお米の乾燥具合を水分計で確認し、最適な状態になった時点で行います。袋詰めにした籾は、昔ながらの蔵で、玄米にせず、籾のまま保存します。そうすることによって、劣化を防ぎ、鮮度を保つことが出来ます。
お米は出来る限り鮮度の高い状態でお届けしたいので、お客様からご注文をお受けしてから籾摺りを行い玄米または白米にしてお送りさせていただきます。
⑥愛情
これまでは無農薬・無肥料・自家採種・天日干しにこだわってお米作りをしてきました。
それが一番、安心、安全で美味しく、エネルギーに満ち溢れたお米になると思ったからです。
もちろんそれは私達の中で、いまでもとても大切に思っている事です。そしてこれからもそのスタイルでやっていきたいと思っています。
しかし、それらに加え、お米作りの中で、「愛情をかける」という事がとても大切で大事なような氣がしてきたのです。
今年(平成30年)お客様に、「あなた方のお米は、美味しいだけではなく、私がこれまで食べた自然栽培のお米とは何か違う様な氣がする」と
言われました。その方の友人も言っているというのです。
「なにが違うのですか?」と聞かれたので、無農薬、無肥料なら同じ作り方なので、「愛情」でしょうかと半信半疑にお答えしました。
田植え後、よっぽどのことがない限り、脱穀するまで私は毎日田んぼに行ってお稲さんとお話しをします。
「いつもありがとう。とっても綺麗だよ。美味しくなってくれてありがとう。元氣をくれてありがとう。エネルギーたっぷりのお米さんになってくれて
ありがとう。」
「いつもお天道様が守っていてくれるからね、大丈夫だよ。安心して成長するんだよ。」
「お日様、お月様、田んぼさん、土さん、水さん、草さん、虫さん、みんな応援してくれているからね。
皆強い子だ。しっかり自分で根を張って、たくましく、大きく成長するんだよ。」
「強い風や雨の時には、負けるんじゃない。自分の身体は自分でしっかり支えるんだ」と強く言うときも。
もちろんお稲さんはなんの返事もしませんが、私は、お稲さんは聞いている、聞こえていると思っています。
話しかければお稲さんたちはきっと喜んでくれていると思うのです。
自然は素直です。
お稲さんたちは生きています。
だから、私たちが言ったことに対してお稲さんたちは「そうしよう」、「そうなろう」とする様に思うのです。
「美味しく育ってくれてありがとう」というと、お稲さんは美味しくなろうとするのです。
「素敵に育ってくれてありがとう」というと、とても綺麗に育とうとするのです。
「私達を健康にしてくれてありがとう」というと、わたしたちを健康にしてくれようとするのです。
「私達を幸せにしてくれてありがとう」というと、幸せにしてくれようとするのです。
そういった事が、おそらく味にも出ているのではないかと思うのです。
そのお客様は自然に感謝して暮らされているので、敏感にお米からそれらを感じ取られたのかもしれません。
以前、ある方のお米は病氣が治るお米だと聞いたことがあります。その時は、お米で病氣が治るはずがないと聞き流していましたが、
今はそのことがよくわかるような氣がします。その方もいつも田んぼに行って、田んぼの中に入って、話しかけていたと言います。
以前、私は無農薬、無肥料の自然栽培のお米ならどれでも同じ様に思っていましたが、今はその様には思いません。やはり技術以上に
作り手の「思い」、「熱意」、「愛情」がとても大切だと思う様になりました。
そういう「思い」「熱意」「愛情」が、お稲さんに届き、その結果、お米さんに「氣」が、「エネルギー」が入る様に思うのです。
「氣」・「エネルギー」の入ったお米は、私達の身体を「元氣に」「強く」していってくれるように思います。
毎日田んぼに行って様子を見ていると、お稲さんは次第に強く、たくましく、綺麗になっていくように感じます。
自画自賛するわけではないですが、我が家のお稲さんたちは本当に素敵です。
そして心から「ありがとう」と言いたくなるのです。