<お米の紹介>

                       右「亀の尾」・左「朝日」

 

 

亀の尾


「亀の尾」は、明治時代に山形県で生まれた在来品種です。今では、ほとんど栽培されておらず、幻のお米と言われています。

コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまち、ひとめぼれなど多くの品種の先祖なのです。そして西日本で主に栽培されている「朝日(旭)」とこの「亀の尾」は米アレルギーを持っておられる方にも食べられるお米として有名です。

 

昔は、自然災害の中で最も恐ろしいものの一つに「飢饉」がありました。「飢饉」とは異常気象によって、農作物がとれず、食べ物がなくなり人々が飢えで苦しんだり、亡くなったりすることです。古くから東北地方は、飢饉の本場で、「ヤマセ」という言葉があります。太平洋の北東から東北地方に吹き付ける「山背風」という名の冷たい風です。ひとたび、この風が吹き始めると東北地方には必ず寒い夏が来て稲が実らず、多くの方が苦しんだそうです。

 

稲は本来暖かな地域の作物です。稲を命の源とした日本人は、優れた性質の稲を作りだそうと様々な努力をしてきました。その飢饉の本場、東北地方で、寒さに弱い性質の稲を寒さに強い性質に変えた人がいます。山形県生まれのお百姓さん「阿部亀治」です。今からおよそ130年前の1,893年、この年は冷害で稲は不作でした。当時26歳の亀治が、ある自分の村の近くの田んぼを通りかかった時、在来品種「惣兵衛早生」の中で、わずか3本、冷害に耐えて黄金色に輝く稲穂があったのです。亀治はその3本をもらい受け、それから足かけ3年の歳月を費やし、寒さに強く、また大変美味しいという評判の稲を作りあげました。お米の名前は亀治の名前の一文字を取って「亀の尾」と名付けられたのです。一時、東北地方、北陸地方など寒い地域でたくさんつくられましたが、病害虫に弱く、化学肥料などをもちいた多収穫を求める現代の農法には向かず、次第にすたれ、子孫品種に取って代わられていったのです。

 

また「亀の尾」は酒米としても評判が高く、漫画「夏子の酒」でモデルになったお米でも知られています。漫画では「龍錦」という名前です。

 

お米は種です。私たちは普段米という種を食べているのです。種は野菜でもそうですが、その土地その土地で命を繋いできた固定種・在来種のものをいただく方が、自然で体にとっても良いのではないかと思います。現代は、遺伝子組み換えやF1種(交配によって作られ、命が次の世代へ続いていかない種)で作られた食べ物が、どんどん広まりつつあります。この様な事は本来、自然界ではあり得ないことです。私たちは知らず知らずのうちに、命のない、エネルギーのないものを食べているのです。食は身体だけでなく、心も作ります。本当の意味で食が豊かになれば心も豊かになります。自分達で作ったお米から種を採り、その種でまたお米を作り、そしてまた種を採る。当たり前の事をやり、阿部亀治が苦心して作った「亀の尾」を後世に繋げていきたいと思っています。

 

朝日


1908年(明治41年)に京都府向日市で山本新次郎という農家が「日ノ出」という品種の米を栽培していた時、その中に特異な2穂を発見。それを育て、「日ノ出」から連想させて、「朝日」と名称を定めたのがはじまりです。その後、岡山農業試験場がさまざまな試験を経て、現在の「朝日」が岡山県を中心として栽培されるようになりました。

 

古くから東の「亀の尾」、西の「朝日」が美味しいお米の代表とされており、「亀の尾」の所でも書きましたが、こしひかり、

ささにしき、あきたこまちなど、現在の美味しいお米の大部分がこの2品種の血を受けついで改良されてきました。

 

「朝日」はその昔、西日本各地で栽培されていましたが、脱粒しやすく、倒伏しやすいという性質もあり、現代の効率化、機械化の中で、生産者が激減していったのです。現在では、岡山県など一部の篤農家の間でのみ栽培されているようです。

 

私たちは、滋賀県にいた時、「朝日」を好んでよく食べていました。信州へ移住するにあたり、滋賀県の友人から、自然農で育った「朝日」の種籾を1合いただき、それを寒い信州で作ってみようと栽培にチャレンジしました。

 

1年目、田んぼに直接種を蒔き、大きく育った苗を11本手植えをしました。しかし、植える時期が遅かった事もあるかと思いますが、ある時期から成長がストップし、結果ほとんど実りませんでした。

 

2年目、1年目にわずかに実った種をとり、再度1年目と同様にして植えましたが、またしてもほとんど実りませんでした。やはり

氣温が低く、水も冷たい寒い信州では育たないのかと思いながら、3年目再度挑戦し、ようやく少し実りをいただきました。

 

そして4年目の今年(平成29年)、大丈夫だろうかと不安がありましたが、少し面積を広げて作ってみました。慣行農法でとれるような収量とは程遠いですが、ようやくお客様に食べていただけるだけのお米を少しばかり収穫する事が出来ました。

 

西の「朝日」が東の「朝日」になったので、恐らく、西日本で出来る「朝日」とは味も、特質も変わっていると思いますが、是非一度、4年かけてようやく育った信州・松川村の「朝日」をご賞味いただければ幸いです。

  

                                            参照 Wikipedia 稲と日本人

      


 

<お米の味について> 

お米の味は、氣候によって、地域によって、田んぼによって、収穫時期によって、水によって、調理器具によって、精米機によって、炊き方によってなどなど様々な条件によって味が違ってきます。また人によって感じ方も違うので、うまく伝えることは難しいのですが、

あくまで私達の主観で書いていますのでご了承下さい。

 

<亀の尾>

現在の多くの品種は、美味しくて病気に強くさらに収量の多いお米を求めて、人工交配技術を使い開発されてきました。そういうお米が大半の中で、「亀の尾」は商品紹介の所でも書きましたが、在来種から生まれた自然のお米です。

稲穂の姿は、女性的でとても美しいのですが、味については寒冷地で鍛えられてきたためか、全体的に野生的で、男性っぽい印象のするお米です。

食感は、粘りは少なくあっさりした感じですが、お米の風味、香りは強く、噛めば噛むほど甘味が広がっていきます。現代のよく食べられているお米と比較すると、味がしっかりしているので、お米を食べているなという感じが強いように思います。特に玄米で食べると、他のお米との味の違いがよくわかるように思います。味がしっかりしているだけに、冷めても美味しく、おむすびにもよく合うように思います。

28年度のお米は上記の様に感じたのですが、29年度は全体的に上品でより優しく、ふくよかな香りのするお米になったように思います。

 

<朝日>

朝日は亀の尾と同様「幻のお米」といわれており、その食感は適度な粘りとコシがあるので、歯ごたえがしっかりしていて、食べごたえがあります。味はあっさりで甘さは控え目ですが、噛めば噛むほど味わい深く、上品ですっきりとした甘みと旨みがあります。

味がしっかりしているので冷めても美味しく、あっさりとした食べ心地がおかずをより引き立てます。 

 

 

<お米(ごはん)を美味しく食べていただくために>

 

お米(ごはん)は毎日食べる物だけに、美味しく食べたいと思うのです。

お米(ごはん)が美味しいだけで「心」がとても豊かになります。幸せになります。

 

私たちはお米を自分達で作る様になってから、どうすれば美味しくお米(ごはん)を食べることが出来るだろうかといつも考えてきました。そして、今現在私たちが感じている一番美味しいお米の炊き方を書きたいと思います。

ご参考になれば幸いです。

 

☆お米を研ぐ時、特に一度目は素早く洗って流して下さい。(特に夏場は冷たい水で洗うほうが美味しく炊ける様に思います)

☆お米を炊く時は、冷たくて美味しいお水で、炊いていただいたほうが、より美味しく食べていただける様に思います。

   (お水は特にポイントで、お水によって、かなり味が変わってくるように思います)

☆お米(白米)の浸水は1時間程していただくと良いかと思いますが、お好みに合わせて微調整して下さい。

☆お米を炊く直前に自然塩を入れて(3合で一つまみ程度)炊くと、ごはんの旨みが少し増す様に思います。

  (人によって感じ方は違うと思いますが、良かったら一度お試しください)

☆炊き上がり後、15分~20分くらい蒸らすと良いと思います。(炊飯器や水の量などによっても変わるので微調整下さい)

☆蒸らしが終わったら、ごはんをよくほぐして、余分な水分を飛ばすと良いと思います。

土鍋で炊くと、より美味しく食べていただけるように思います。(炊飯器によってはかなり味が違う事があります)    

 おこげもとても美味しいです。(^o^)

 

以上が、今現在、私たちが感じている美味しいお米の炊き方です。

「こうすればもっと美味しくお米が炊ける」というやり方を知っておられる方がいれば是非教えてください。

 よろしくお願い致します。